『北へ。』(きたへ)は、北海道を舞台としたノベルアドベンチャーゲームシリーズ。
開発はレッド・エンタテインメント、販売はハドソン。
北へ。White Illumination
1999年3月18日にハドソンのドリームキャスト用の参入第1弾ソフトとして発売。
記念すべき「北へ。」シリーズの第一作目。
夏休みを利用し、14日間の北海道旅行に出かけた高校2年生の主人公が、親戚である春野琴梨の案内で、
北海道の観光地をめぐり8人の女の子たちに出会う。
ストーリー的には夏編と冬編に分かれていて、夏編でヒロインと仲良くなり、冬編で告白に至るという流れになっている。
特徴としてはC.B.S.(コミュニケーション・ブレイク・システム)というシステムが使われていることで、
ヒロインと会話中にある特定のタイミングでボタンを押すことによって、主人公の側からアクションをしかけることが
できる。 (選択肢を発生させる、プレゼントを渡す、会話をスキップさせる等)
ただしこのシステムが曲者で、上手くタイミングを合わせないと「会話を無視した」「同じタイミングで話そうとした」と言ったことになってしまい、うまく会話が派生しない。
キャラの選択肢によってはそのままシナリオが終了してしまうなど、難易度が高い割にクイックセーブやロードが
ない、バックログが見れない(当時のゲームでは割と普通だったが)等、システム面で若干不親切な点があった。
しかし、NOCCHI(現・大槍葦人)氏が描く繊細かつ芯の通ったヒロイン達の魅力と、それに声を当てる豪華声優陣、
北海道に実在する観光地のみならず、お店やレストランなどが実名で登場し、旅した気分になれるゲーム背景。
非常にインパクトのあるOP曲など、発売から20年経った今でもファンが残る魅力的なゲームである。
北へ。Photo Memories
1999年8月5日にドリームキャスト用ソフトとして発売された。
イラスト集と、前作から半年後を描いたミニアドベンチャーゲームを収録。
ミニアドベンチャーゲーム中は自分の好きなタイミングでヒロインの写真を撮ることができる。
北へ。Diamond Dust
White Illuminationの続編として2003年10月30日、PlayStation 2で発売。
White Illuminationの数年後という設定であるが、ラジオやヒロインの会話などで一部のキャラクターの動向が伝えられているのみで前作のキャラクターは登場しない。
大学生の主人公が夏休みを利用して、北海道の各所に散っている友人たちの元に遊びにいくというストーリーで、旅立った先で主人公は女の子と知り合い、恋をする。
夏編で意中の女の子と仲良くなり、冬編で結ばれるという構成は前作と変わらないが、その他では大幅に変更が加えられている。
以下は前作からの変更点
・前作と違い、移動で使われる時間が細かく(30分単位)で分けられることに
・主人公には所持金があり、移動で消費。0になるとゲームオーバーに
・C.B.Sが簡略化(C.B.Sが発生するタイミングでメッセージの色が変わる)
・ミニゲームの廃止
・携帯で「占い」が行えるようになり、ヒロインのイベントを進行させるための場所や時間が大まかにわかる。
等々
北へ。Diamond Dust + Kiss is Beginning.
『北へ。Diamond Dust』の続編として、2004年10月28日にPlayStation 2で発売された。
ヒロイン毎にミニシナリオが用意されている他、前作のクリアデータを引き継ぐことで、
前作のイベント映像などを見ることが出来る。
シナリオのテーマはタイトルにある「Kiss is Beginning(キスは始まり)」、つまり前作のエンディングで結ばれた
主人公とヒロインが、エピローグまでどのように過ごしたかが描かれる。
基本的にはヒロインとの再会とその後が描かれるのだが、選択肢次第では破局してしまったりもする。
ゲーム期間は4~7日間で、好感度次第で二通りのストーリーに派生する。
HUDSON SOFT 1999 / RED 1999/2000 / イラスト:NOCCHI(RED)